イラストのストックサービスによっては、ベクターデータの形式を「EPS10以下」と指定しているところがあります(PIXTA、Shutterstockなど)。
その場合、Illustratorで制作したデータをEPS10にバージョンダウンして書き出す必要がありますが、制作時に使用した効果はそれぞれどのように変化するのでしょうか?
検証してみました。
注意しないといけないのは、AIからEPS10に書き出した場合に、特定の効果が分割されて埋め込み画像になることがあるということです。
ストックサービス用のデータは「画像の埋め込みが禁止」になっているところが多いため、せっかく「EPS10以下」に書き出しても受け取ってもらえません。
特にPIXTAでは「EPS10以下」であると同時に「画像の埋め込みが禁止」ですから、PIXTAに送るデータではこれらの特定の効果を使わずにデータを作る必要があります。
という6つのIllustratorの効果をEPS10に書き出して、変化を検証してみました。
それでは早速見ていきましょう!
ぼかし(スタイライズ)
「ぼかし(スタイライズ)」の効果をEPS10に書き出してみました。
その結果、埋め込み画像に変換されることなく、なんとアピアランスの効果も保持されたままとなりました!
後からぼかしの効果を編集することも可能なのでこれはうれしいですね!
「ぼかし(スタイライズ)」はOKという結果になりました!
ぼかし(ガウス)
「ぼかし(ガウス)」の効果をEPS10に書き出してみました。
その結果、ぼかしの部分は埋め込み画像に変換されてしまいました。
「ぼかし(ガウス)」の効果は(画像埋め込みNGのストックサービス向けには)使用NGという結果になりました!
光彩(外側)
「光彩(外側)」の効果をEPS10に書き出してみました。
すると、光彩部分は埋め込み画像に変換されてしまいました。
「光彩(外側)」の効果は(画像埋め込みNGのストックサービス向けには)使用NGという結果になりました!
メッシュ(透明)
「メッシュ(透明)」の効果をEPS10に書き出してみました。
その結果、埋め込み画像に変換されることなく、「パスオブジェクト+マスク効果」に変換されました!
「メッシュ(透明)」はOKという結果になりました。
ドロップシャドウ
「ドロップシャドウ」の効果をEPS10に書き出してみました。
結果、ドロップシャドウの部分は「埋め込み画像」に変換されてしました。
「ドロップシャドウ」の効果は(画像埋め込みNGのストックサービス向けには)使用NGという結果になりました!
透明グラデーション
「透明グラデーション」の効果をEPS10に書き出してみました。
その結果、「透明グラデーション」の効果は「不透明マスク」に変換されました。
「透明グラデーション」はOKという結果になりました。
今回の結果をまとめると、
という結果になりました。効果によって書き出し方が色々と変わってくることがわかりました。
特にぼかし効果を使うときは、「ぼかし(ガウス)」ではなく、「ぼかし(スタイライズ)」を使いましょう!
透明のグラデーションに関しては、「不透明マスク」に変換されるようですね。
なお、聞いたところによると同じ「光彩」でも「光彩(内側)」はOKらしいです。
(詳しくはこちらのフォーラム(一番下の回答)をご覧ください!)
一応、EPS書き出し時の設定も画像で載せておきます。
透明のプリセットを[高解像度]に設定し、またIllustratorの「ラスタライズ解像度」も300dpi以上にしておきましょう!
ちなみに上記の検証はEPS10で書き出した場合です。EPS9以下での書き出しでは、また異なる結果となる場合がありますのでご注意ください!
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