iStockに「手描き風」のイラスト素材をアップしたところ、そのうちのいくつかの素材について、以下のような修正要請が届いて戸惑いました。
日本語が何だか難しい…。
えーとつまり、「何かの素材を参考にした作品なんじゃない?」って言われてるってこと?
そして「その参考にした素材が、自分の物である場合は、参考にした作品を『プロパティーリリース』にアップしてね」っていうことだよね。
うーん…でもこの作品は人の作品はおろか、自分の作品も参考にはしてないし、アップする作品というのは無いなあ…。
「独自のアートワークには、プロパティリリースは必要ありません」って書いてあるし、何もせずに再度審査を依頼してみよう。
ということで、そのまま再審査を依頼した翌日……
うーん、また差し戻された。ふたつに増えた。
どうしたらよいのかわからなかったため、サポートさんに問い合わせてみました。
うろ覚えですが、以下のような内容を送ったと思います。
id:●●●●●●、●●●●●●、●●●●●●の素材が「派生」を理由に要修正となりましたが、この素材は人の作品はおろか、自分の作品も参考にしてはおらず、ブラシもAdobeの標準ブラシを使用しています。
どのようにしてこの作品が「派生」でないことを証明したらよいでしょうか。
ご参考のためid:●●●●●●の制作時のタイムラプスを書き出してみましたので、ご確認ください。
(Youtube限定公開のリンクURL※)
どうぞよろしくお願いいたします。
※わざわざこのためだけに、タイムラプス動画を書き出してYoutubeにアップしたうざい人
ちらっと「ブラシ」についても言及したのは、文言に「質感」とあったので、『何となくブラシが関係しているんじゃないか』と感じたためです。
そうしたところ、丁寧なお返事をいただきました。
イラストレーション作品の審査時に時折、派生という理由で返却されることがございます。
こちらはご使用されたブラシがストック作品として使用可能であるか等の確認を行う必要があると判断された時等にも「派生」という理由にて作品を返却することがございます。
ご使用されたブラシのスクリーンショットをプロパティーリリースとしてご提出ください。
詳しくは下記リンクをご参照ください。
【イラストレーターの参考ガイドブック】
https://contributors.gettyimages.com/article/5190?article_id=5190
…中略…
ふむふむ…(動画はスルー…w)。
使用されたブラシ等がストック作品として使用可能であるか等の確認を行う必要があると判断された時等にも、「派生」という理由で作品を返却することがあるらしい。
そして解消するためにはブラシのスクリーンショットをプロパティーリリースとして提出する必要があるらしい。
ブラシのスクリーンショット…??
ブラシのスクリーンショットを作る
ということで、メールに書かれていたリンク先の参考ページ(リンクを見るにはiStockのコントリビューターとしてログインする必要があります)を参照して、自分なりに「ブラシのスクリーンショット」なるものを作成してみました。
私が使うブラシはすべてAdobeの標準ブラシ(上記ではAdobe Frescoを使用)なのですが、使うブラシはいつも決まっているので、こんな感じの1枚のJPGファイルを作ってみました。
ブラシのスクリーンショットをプロパティリリースとして再提出
早速、ブラシのスクリーンショットをプロパティリリースとして再提出してみます。
先ほど書き出したブラシのスクリーンショット画像を選択してアップロード。
①リリース名を付け、②リリースタイプを選択。リリースタイプは「プロパティ」を選びました(ブラシの場合)。
するとこんなふうにプロパティが生成されますので、☑を入れて、再審査を依頼します。
今回「派生」を理由に要修正となった素材は3点あったのですが、3点とも使われているブラシは上記のどれかだったので、3点ともすべてこのプロパティリリースを使用して再審査を依頼しました。
なお、同じ提出バッジ内であれば、一度作ったプロパティは使いまわしができます。
そうしたところ…
通った!!再審査を依頼した3枚とも通りました。
良かった…。
「派生」を理由に再審査になったら…
iStockは、ブラシの著作権に慎重であるということがわかりました。
「派生」を理由に再審査となった場合、文字通り何らかの参考画像などを指摘している場合もあると思いますが、ブラシやテクスチャーなどの素材のことを指している可能性もあるようです。
特に、手書き風のイラストで、よりテクスチャーを生かしたような投稿物が差し戻された場合には、その可能性は高いと思いますので、ブラシなどの質感を生かしたような素材を制作する時には、念のため「使用したブラシの一覧画像(スクリーンショット)」を作りながら制作するように習慣をつけておくと安心だと思いました。
「プロパティリリースを提出してください」と言われると、何か難しい書類を提出する必要があるのかなと身構えてしまいますが、今回の私の場合は、上記のような「ブラシのスクリーンショット一覧画像」で差し支えありませんでした。
ただこれはAdobeの標準ブラシのみを使用していたからかもしれません。
標準ブラシではない他のブラシを使用している方は、もっと複雑で本格的なプロパティリリースを用意する必要があるかもしれませんのでご注意ください。
何かのヒントになれば幸いです。
参考URL
・イラストレーターの参考ガイドブック(要iStockクリエイターログイン)
・リリースの添付(要iStockクリエイターログイン)
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