リアルファブリック用のパターン書き出し【白い線が出ないように】

リアルファブリックは自分で作ったテキスタイルデザインを登録して、注文があった場合にそのデザインの布を販売できるサイトです。
自分のデザインしたテキスタイル商品が売れるた場合、デザイナーはいくらかのフィーを受け取ることができます。
私も最近登録を始めたのですが、イラレ(Adobe Illustrator)からシームレスパターンを書き出すと、どうしても白い線が出てきてしまう問題にぶちあたりました。
調べると、どうやらみんな通る道のようです。
これが想像以上に面倒くさくてややこしかったのですが、試行錯誤するうちに私なりの解決方法を見つけましたので、備忘録として記録しておきたいと思います。

イラレのパターンを書き出すときに白い線が出ないようにするための重要なポイント以下の通りです。

  • データをpxの整数で作ること
  • アートワークをピクセルグリッドに整合すること
  • アートボードをアートワークに合わせること
  • 解像度を72の倍数で書き出すこと

簡単そうですが、これが意外と難しいので、以下で詳しく説明していきます。

1.パターンを実寸サイズで作る

まず初めに、パターンを仕上がりの実寸サイズで作ります。
例えばタテ140㎜×ヨコ140㎜の図案の場合は、そのサイズで作りましょう。

error ただし、大きめのサイズで作っておいて、最終的にPhotoshopでサイズを小さくすることは可能です。

 
本当はパターンを制作する時点からpxベースで制作したほうが良いのですが、pxを㎜に換算するとどれぐらいかがイメージできないと思いますので、慣れるまでは㎜で作るのが良いのではないでしょうか。

実寸サイズで制作

2.単位をpxに変換する

パターンを作り終わったら、ドキュメント設定>単位を「ピクセル」に変更します。

単位を変更

3.パターンのサイズをpxの整数に変更する

1で制作したパターンのサイズを編集します。スウォッチから、先ほど作ったパターンをダブルクリックして、パターン編集画面に移行し、パターンの縦横サイズを四捨五入して、pxの整数に変更します。

パターンサイズをpxに変換

ここで編集したパターンサイズを覚えておきましょう。

4.パターンと同じ大きさの長方形を作る

先ほど制作したパターンと同じサイズの四角オブジェクトを作ります。たとえば、上記ではパターンのサイズがタテ397px・横397pxなので、タテヨコ397・397pxの正方形を作ります。

長方形を作成

そして、その長方形にスウォッチから、先ほど作ったパターンを適用します。
長方形を制作した時点でスウォッチが適用されている可能性もありますが、必ず一度スウォッチを解除してから、パターンを適用し直してください。

5.オブジェクトをピクセルグリッドに整合

イラレのウィンドウの右上の方に、「オブジェクトをピクセルグリッドに整合」というマークがあります。
先ほど作ったオブジェクトを選択した状態で、「オブジェクトをピクセルグリッドに整合」をクリックします。

ピクセルグリッドに整合

6.アートボードサイズをアートワークのサイズに合わせる

さらに、そのアートワークを選択した状態で、アートボードサイズを「選択オブジェクトに揃える」にします。

アートボードサイズをパターンに揃える

アートボードサイズがパターンと揃っていること、pxの整数であること(例の場合タテヨコ397・397px)を確認しましょう。

error 手順「5」と「6」の順が逆にならないようにしてください

7.216ppiで書き出す

JPGで書き出します。「書き出し」からJPGを選択し、「アートボードごとに書き出し」で、以下の設定で書き出します。
・カラーモード:RGBカラー
・画質:最高
・解像度:216ppi
・アンチエイリアス:アートに最適

error 解像度については72の倍数である必要がありますが、リアルファブリックは200dpiの指定があるので、200以上で一番近い72の倍数である216ppiで書き出します。

 
書き出し設定

8.Adobe Photoshopで解像度を200dpi(ppi)に変換

書き出されたJPGをイラレなどに配置して並べてみて、白い線が無いかどうか、きれいにつながるかどうかを確認します。
問題が無ければ、JPGをPhotoshopで開き、解像度をリアルファブリックの指定である200dpi(ppi)に変換します。
またサイズも、pxベースでキリが悪いサイズになっているので、キリの良い数字に編集(例:140.09mm → 140㎜など)すると良いと思います。
※余談ですが、ファイル名を「mimosa-RF140-140.jpg」など、サイズが一瞬でわかる名前にしておくとあとあと楽です。

error サイズを編集する場合は、現在のサイズより大きいサイズにしないこと、縦横比は固定することが注意点です。

 
200dpiに変換

アップロードする時は

デザインのサイズ指定を、データの実寸と同じ(かそれより小さい)サイズで設定しましょう。
 

それでも白い線が出てしまうときは

これらの設定でもうっすらと細い線が入ってしまう場合(手順「5」と「6」の順が逆になってるかも…?)は、書き出し設定のアンチエイリアスを「なし」にします。
こうすると、拡大したときにシャギーが目立ちますが、もともと実寸で作られている上、解像度は指定の200dpiよりも高いため、リアルファブリックで使う分には問題ないはずです。

まとめ

ドキュメントの設定やアートボードの設定、解像度の問題なども複雑に絡み合って非常に難しいです。
コツは、「最初に実寸で作ること」と、「最終的な解像度はphotoshopで調整すること」だと思います。

なお、「イラレ・パターン・白い線」検索すると「環境設定でアートワークのアンチエイリアスをOFFにする」などの情報も出てきましたが、その設定はとくに必要ないようでした。